「6月でそろばん塾を辞めさせていただきます」

そろばん塾に来ている小学4年生の男児のお母さんからメールが入りました。

 

その男児(Sくん)は、2年生の途中から入ってきました。

最初は楽しくやっていましたが、半年くらい経った頃でしょうか、

辞めたいと言い出したと、お母さんから電話がありました。

 

「辞めます」「はい、分かりました」と簡単に電話で済ますこともできますが、

Sくんを連れて話しに来てもらいました。

 

Sくんと話をしたら、引っかかっているところがすぐに分かりました。

それで、「~~にしようか?」と言うと、にっこり笑いました。

 

Sくんの気持ちは切り替わり、またそろばんの練習をし始めました。

 

そんなSくんが、6月に6級にチャレンジしました。

まだ合否は分かっていませんが、辞めると言うのです。

 

以下お母さんからのメールです。

「満足のいく点数を出せる日が多くなり、

教室から帰宅する顔が検定への自信に繋がっていると思いました。

この検定の結果がどうであれ、6月で辞めさせていただきます。

・・・中略・・・

6級合格までという気持ちは正直私にはありましたが、

本人には、級は関係ありませんでした。

(6級を受検するまで頑張ると言っていたそうです)

 算数で暗算をするときに、Sはそろばんを弾く手になりました。

 私がSにそろばんを習わせようとした目標は、これでした。

 目標を達成したのです。

 なので、次はSが自分で決めた目標、

 『6級をとったら(受検したら)辞める!』をかなえてあげたいと思います。

今日までありがとうございました。」

 

 

なんてステキなお母さんでしょう!

普通だったら、6級合格するまでは頑張りなさい!と言ってしまいますね。

 

Sくんの選択、お母さんの選択。

どちらも良いなあ~と、なんだか胸がキュンとなりました。

 

お稽古最後の日に、講師と私にプレゼントを持ってきてくれました。

自分で選んだというハンカチでした。

添えられた手紙に、またまた胸がキュンとしました。

「1年半、ぼくに分かりやすく教えてくださってありがとうございました」

 

お母さんからの手紙を読んで、嬉しくて泣けそうでした。

「本日までご指導いただき、ありがとうございました。

くじけそうになった時、Sの気持ちを一番大事に考えていただいたこと、

これからの子育ての勉強になりました。

嬉しかったです。

そろばん塾ピコに出会い、先生方と出会い、幸せです。

またご縁があることを想っています。」

 

こんな子どもさんとの出会い、お母さんとの出会いがあるので、

仕事を辞められないのです。

 

ハンカチ、大事に使わせていただきます。