昨日は、私が主宰しているNPO法人にこにこの一大イベント「にこにこ祭」でした。

 

ボランティアの募集をしたところ、中学3年の3人が参加してくれました。

ボランティアに志願した動機は、内申書に書いてもらいたいということだとしても、そこで少しでも非日常の経験が出来るわけです。

3人は緊張した面持ちでしたが、段々と表情もほぐれてきて、楽しそうに参加してくれていたので良かったです。

 

この前あるお母さんが面談に来られました。

2時間ほどいろんな話をしたのですが、そのお母さんの悩みの一つはこんなことでした。

 

「中学生の子どもが勉強が嫌いで自分から全然やろうとしない」

「暇があると、漫画を読むか、録画したテレビを延々観ている」

「それ以外に興味がなくて、自分から何かをやろうとしない」

「友だちとも積極的に交ざろうとしない」

「自分の考えは引っ込めて、友だちに合わせてしまう」

 

勉強が嫌いで、学校の授業もあまりよくわからないのだそうです。

それでもその子は、学校に行くのを嫌がらずに毎日登校しています。

それだけでも褒めてあげられることですね。

 

子どもたちの世界というのは思ったより狭いと思います。

特に中学生。

ほとんど学校と部活動しかない!

 

勉強も苦手な子どもは、学校へ友だちと会うことや給食を楽しみに行くしかない。

その友だち関係に問題が起きたら、行くのがとても辛くなってしまう。

その子はそうしたトラブルを見越して、自分の意見を主張せず友だちに合わせているのかもしれません。

 

気の合わない友だちと無理をして交わることもないのではないかと、私は思います。

そのうちきっと気の合う友だちが出来ると、お母さんがおおらかに見守ることも必要ではないかと思うのです。

 

お話を聞いて、その子は勉強は苦手かもしれないけれど、周りのことをよく観察していて、冷静に見ることが出来る賢さを持っていると感じました。

 

だいたいの事柄については、いろんなとらえ方が出来ます。

良い(と思われる)面もあれば、悪い(と思われる)面もあります。

例えば、「ゆっくり」ということでも、ゆっくりで丁寧だから良いという場合もあるし、急ぐ時にはそのゆっくりさが困る場合もある。

積極的で良いと思えるけれども、人を押しのけているかもしれません。

反対に消極的というのは、周りの人のことを配慮できたり、縁の下の力持ち的なところで力を発揮することもあるわけです。

 

物事をどうとらえるかということなのです。

平均年齢84歳のハンドベル演奏です。

歳をとったらこんなことはできないと思い込んでいた私たち。でも、歳に関係なく出来てしまうのです。

 

 

お母さんのその子へのとらえ方が、悪い(と思われる)方に偏っていたのではないでしょうか。

もちろん親というものは子どもに期待をかけるもので、それは愛情の表れでもあるのですが、その子の良さを見られなくなっているとしたら悲しいですね。

 

にこにこ祭ではお年寄りと一緒に遊びます。すごく楽しかった~と喜んでくださいます。

 

最初に書こうと思っていた内容と少し違ってきてしまったので、元に戻します。

そのお母さんに提案したことがあります。

 

それは、子どもさんにいろんな体験をさせてくださいということです。

学校と部活動(クラブ)しか経験していない子どもたち。

その中に自分の好きなこと関心の持てることが無くても、全然おかしなことではないですね。

 

大人だって、仕事や家事が大好きという人の方が少ないのではないでしょうか。

仕事で疲れて帰宅して、他に趣味とかなければ、ぼうっとテレビを観て過ごす人が多いですよね。

子どもだってそれと同じです。

 

大人は自分から求めれば、どこかへ気晴らしに出かけたり趣味を持つこともできますが、子どもたちは自分で行けるところも限られています。

都会なら、自分で電車やバスに乗って出かけたり、いろんな催し物もあるので参加したりができますが、田舎では本当にそういうものがほとんど無い状態です。

あっても親が動かないと行けませんし・・・。

 

だからこそ、

親や周りの大人が、何でもいいので、少しでも学校・部活動以外の何かを提供してあげることが必要なのではないかと思います。

 

そんな思いで、本や+αで映画会やボードゲームカフェ、英語で話そう会、その他単発のイベントを仕掛けています。

子どもたちの参加が増えてくれば、もっといろんなことが出来るかもしれません。

別に本や+αに来なければいけないわけでなく、選択肢の一つとしての話です。

ドライブに出かけて自然を満喫してもいいし(いつもお買い物というのはオススメしません)、探せば面白いイベントなどやっていますので、まずは親が楽しむことも必要ですね。

(サポーター仲間で人形劇をしました)

 

分かっていても、仕事と家事に追われ、土日はクラブの送迎や応援に振り回されてしまっているのが現状なのかもしれません。

 

けれども、そんな中でも、子どもに少しでも多様な経験をさせることを親さんに求めたいと思っています。

周りの大人が多様な経験をすることが、子どもたちに学校以外の面白さを教えていけるのかもしれません。