BOOKLOVE読書会

人間とは何なのか?【2019.1.26ブックラブレポ】

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今回の報告レポは、ブックラブの部長である棚瀬省吾さんに書いていただきました。

こんにちは。 BOOKLOVE部長の棚瀬です。

1月26日に今年はじめての読書会を開催しましたので、その模様をレポートとして残しておきます。

昨年の9月からはじまった中津川BOOKLOVE。

これまでの活動では課題本を読みこむ読書会、書評合戦ビブリオバトル、本のプレゼント企画などを行ってきました。

その中で課題本を決めて参加者がそれぞれ意見を交換し合うスタイルがもっとも読書会らしいのではと感じたので、これからは参加者がリレー形式で課題本を決めていく方式にしていきたいと思っています。

今回の課題本はダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」 

10年ほど前にはじめて読んで以来、何度も読み返している思い入れの深い一冊です。以前からこの作品で読書会をしてみたいと思っており、課題本としました。

あらすじ

32歳にして6歳程度の知能しかない青年、チャーリー・ゴードンは新しく開発された外科手術によってIQ180の天才へと生まれ変わる。長年あこがれ続けてきた高い知能を手に入れ、人を愛する素晴らしさや、知識を得ることの喜びを知ることになるチャーリーだったが、飛躍的に高められた知能は周囲の人間とのあつれきを生み、経験したことのない苦悩を彼に与えるのだった。

今回の読書会には全部で7名の方に参加いただきました。

一人ずつ自己紹介をしながら感想を述べあいました。

中には桑名からわざわざ来ていただいた方もいらっしゃいました。

とても中身の濃い感想シェア会になりました。少し長くなりますが、みなさんの感想を書いてみます。

・天才に生まれ変わったチャーリーが手術前とは別の人格として描かれている場面が多く登場し、とても興味を惹かれる。「人間とはなんなのか」というのがこの小説の大きなテーマの一つだと思った。

・主人公は周囲の人間から痛めつけられ親からは虐待を受けているが、人は異質の存在を排除する性質があるために起こることだ。障害者に対する無理解が原因であり、相手も同じ人間であると認めることが大切だと感じた。

・人間にとっての本当の幸せとはなんなのか考えさせられた。知的なレベルが幸せに直結するとは限らないが、言葉や知識を得ることで美しさの価値を初めて知ることができる。

・漢字がわざと間違えて書かれていたり、一人称が途中から「ぼく」から「私」に変わっていたりと、主人公の知能が高くなっていく様子がわかる文章になっており、絶妙な翻訳だと思った。前半の子どものような文章は山下清の文章を参考に翻訳したとされている。

・主人公がいじめられるシーンを読んで、自分が周囲の子どもに「いじめをうけている」と相談されたときにどう答えるべきなのか、考えるきっかけになった。スペシャルオリンピックという知的障害者が出場するスポーツ大会のことを最近知り、特別視するのではなくお互いに価値を認め合っていくことが大切ではないだろうかと感じた。

・障害者の福祉施設で働いているが、一方的に介助するのではなく入所者自身の意思でものごとを決めてもらうことを重視している。事実を知ることにはつらさが伴うこともあるが、それだけの価値がある。

・主人公は人間扱いされていないうえに、手術を受けた後も周囲から排除されてしまい、悲しい話だと思った。「知的に高くなくても性格が良ければいいのではないか」という感想もあるが、それには違和感を覚える。主人公の知能が退行していってしまう描写には、認知症の人がこれまでできていたことができなくなってしまう姿を重ねて読んでいた。

・小学校では知的にハンディがある生徒を特別学級に編入させてしまうことが多いが、一緒に学ぶことで通常学級の子どもたちも学ぶことがあるため、一律に分けてしまうことによりその機会を奪ってしまう。そんなことを考えさせられた。

僕は、これまで主人公に自分自身を重ねて読む、という読み方しかしてこなかったのですが、今回の読書会を通じて主人公に対していじわるをする周囲の人間の視点から物語を眺めることができ、大きな気づきになりました。

小学校に通っていたころの特別学級に通っていた同級生のことを思い出し、もっとやさしくしてあげることができなかっただろうか、という思いに囚われました。

物語の終盤でそれまで主人公に冷たくしていた職場の同僚が、暴力を振るわれている主人公を助ける場面には胸が熱くなり、自分もそのようにありたいと強く思いました。

参加者の方が言った「100%の善人もいないけど、100%の悪人もいない」という言葉が印象的でした。

本を読んで感想を持つだけで無く、現実の生活にどう活かすか?ということが大切だと思います。そういう意味でも様々な学びがあった今回の課題本・読書会だったと思います。



中津川BOOOKLOVEでは毎月1回のペースで読書会を開催しています。

今後の開催スケジュールは次の通りです。本を読んでなくてもかまいません。ぜひご参加ください。

2月23日(土) 小川洋子「100万回生きた猫」

3月23日(土) 青木新門「納棺夫日記」

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