BOOKLOVE読書会

死について考えることの大切さ【ブックラブ2019.3.21レポ】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

こんにちは。

BOOKLOVE部長の棚瀬です。

3月23日㈯に読書会を開催しましたので、ここに報告レポートを記載します。

今回の課題本は青木新門の「納棺夫日記」

本や+αのオーナーである高木晴代さんの選書です。

「納棺夫日記」概要  

新聞の求人広告でたまたま見つけた冠婚葬祭会社に入社した著者が、故人を弔う仕事を通して人生の意義や葬儀の在り方、命の仕舞い方に向き合う日々の記録をまとめた内容となっています。仏教の教えだけでなく、物理学や西洋の神学、詩なども交えて人の命の根源を追究していく過程が詩的な文体でつづられています。「みぞれの季節」「人の死いろいろ」「ひかりといのち」の三部構成。

参加者のみなさんの感想や意見

*医者や葬儀会社の社員など日頃から人の死に携わっている人々が登場するが、誰も死に真正面から向き合っていないと感じた。周りの偏見に負けず、納棺夫としての仕事を究めようとする著者の姿勢は簡単に真似できるものではない。

*数年前に父母を見送ったときに知っていたかった内容だった。宗教的な死生観に触れている第三章は捉えどころがなく難しく感じたが、金子みすずや宮沢賢治の詩が紹介されている点が親しみやすくてよかった。

*出版当時にも読んだことがあったが、再読してみて新たな感情が湧き上がるのを感じた。親類の葬儀で実際に納棺夫の仕事を見たことがあるが、荘厳な儀式のようでとても素晴らしい仕事だと思った。執筆当時にあったような差別感情は、現在では薄れてきているのではないか。

*本書を原案とした映画を観たことがあるが、映画ではきれいに描写されすぎていると感じた。介護師の仕事をしているため、人の死に立ち会った経験があり共感できる部分が多かった。詩が引用された文章はうつくしいと思った。

*最初はとまどいながら遺体と向き合っていた著者が、丁寧に仕事に取り組むようになってから周りの人々にも認められるようになっていく過程がよかった。なにごとも自信を持ってやることが信頼につながるのだと思った。

*この頃は葬式に子どもを連れて行かないことや、身内の死を見せないことが多くなっているが、子どものころから死に触れされることは道徳教育の面でも大切なことだ。

*葬儀会館が増えたことからお寺で葬儀を執り行うことは少なくなってきたが、地域のつながりを強める側面もあるため、外注業者に依頼してしまうことは一長一短あるのではないか。

部長棚瀬の感想

今回は誰にでも関わりのある「死」をテーマにした本だったため、実体験を踏まえた感想が多くありました。

私も昨年末に祖父を亡くしており、そのときの葬儀の光景を思い出しながら読みました。

一見意味がないように思えるしきたりや作法にも一つひとつ由来があり、葬儀とは死者のためのものではなく、残された者たちが感情的な区切りをつけ気持ちを新たに生きていくために行うものなのだと感じました。

死について考えることはどこかタブー視されているところがありますが、誰にでも訪れることだからこそ目を背けずに向き合うことで限りある時間をどのように生きるべきなのか、考えるきっかけになるのではないでしょうか。

今回は課題本の他にも多くの本の紹介があったので、紹介します。

青木新門「それからの納棺夫日記」 タイトルの通り「納棺夫日記」が出版されてからの著者の心境の変化などがつづられた続編。映画化などにより世間の耳目を集める中でのとまどいが記されている。

金子哲雄「僕の死に方 エンディングダイアリー500日」 肺の希少な病で若くして亡くなった流通ジャーナリストによる、自身の死と半生を見つめた手記。仕事に対する熱意や余命宣告を受けてからの絶望と死を受け入れるまでの過程が痛切な文章でつづられている。

金子稚子「死後のプロデュース」  金子哲雄さんの配偶者、稚子さんによる手記。前述の「僕の死に方」を妻の視点から記録した内容。

リチャード・フラナガン「奥のほそ道」 第二次大戦中にタイ・ミャンマー間に建設され「死の鉄路」と呼ばれた泰緬鉄道に従事させられたオーストラリア軍捕虜たちの物語。苛烈な暴力や飢餓にさらされた極限状態における人間の尊厳が重厚な筆致で描かれている。

シェリー・ケーガン「DEATH 「死」とは何か」 イェール大学教授による死をテーマにした講義内容をまとめた一冊。死に対してどのように向き合うことが適切なのかが、宗教観に寄らず論理的かつ哲学的な観点で考察されている。

次回のブックラブ例会は 4月28日(日)19時~

第2回「本の交換会」を行います。

また、この日は【第2回 一箱古本市】の日でもあります。

出店者も募集中ですし、ぜひいろんな形でお楽しみください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

コメントを残す

*