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こんな時だからこそ本でつながれる読書会【2020.10.25 読書会『流浪の月』レポ】

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こんにちは。本や+αのあまこです。

10月25日に開催した、読書会のレポを報告します。

今回の課題本は、2020年本屋大賞に選ばれた凪良ゆうの『流浪の月』。

リアル店舗と、オンラインでの参加で、8名が集まりました!

まずは、更紗と文の関係や、登場人物の魅力に心をつかまれたという意見がたくさん出ました。

更紗と文の、心と心がつながっている関係がうらやましく感じた。

更紗の母や、子どもの頃の更紗の考え方が自由でいいなぁと思った。今は子どもも大人も色んなものに縛られている人が多いと感じる。特に女性や母親は縛られることが多いと思うし、女性にささる物語かなと思った。

文のコミュニケーションの取り方が、自然でさらっとしていて、すてきだなぁと思った。

何でも話を聞いてくれる文は、作者の理想が描かれえているようで、あまりリアリティを感じられなかった。

9歳の更紗や8歳の梨花ちゃんは、すごく自立をしていて、親にあまり期待をしていない。自分の息子も9歳なので、この頃がちょうど子供と大人の境目だと感じる。年齢設定がうまいなと思った。

文章がきれいで、丁寧な心理描写にひかれたという方も多かったです。

印象的だった文章も色々出ました。

荷物が重いことはそれだけで有罪だわね。だって手をぶらぶらできないじゃない。 (本文 p14)

あきらかにできないから秘密なんだけど、抱えることも苦しいから、いっそ全部ばれてしまえばいいと思うときもある。ばれてしまえば楽になることもあるだろう。(本文 p51)

世間は別に冷たくない。逆に出口のない思いやりで満ちていて、わたしはもう窒息しそうだ。(本文 p104)


物語のテーマについて

話の根底に流れるテーマについては、こんな意見が出ました。

更紗の「なんで人に合わせないといけないの?」という違和感を、子どもの頃の自分も感じたことがあることを思い出した。

登場人物それぞれが問題を抱えていて、辛そう、もっと自由で幸せになってほしいと思いながら読んだ。事実と違ったことが広がっていってしまうところが、ネット社会の問題提起にもなっていると思った。

文の「ばれちゃいけない」と思っている姿を見て、島崎藤村の『破戒』を思い出した。社会の中の自分の身の置きどころ、という点では、同じテーマだなと思った。

以前読書会もした村田沙耶香の『コンビニ人間』と同じで、「普通とは何か」というのが、この本の一つのテーマになっていると思う。自分自身のことを「普通だ」と思っている人が読んだらどう思うのだろう。

更紗の両親や、更紗と文たちの出会いは、とても自然で、初めから壁がない感じがする。人がどこで、どうつながるか?ということを考えさせられて、このコロナ禍以降の時代のテーマになってくるのではと思った。

ラストについて

文と更紗の関係がうらやましい、お互いがいれば支えあって生きていける状態になって良かったと、ハッピーエンドと捉える人がいる一方で、

「2人の関係はいいけど、社会で生きていくのは、これからも辛いだろうな。」

「解決方法が逃げることしかないのでは、バッドエンドなのかも?」

「他の終わり方があったような気がする。」

という意見も出ました。

私は、最後の結末を読んで、『夜に駆ける』という曲と、その原作の『タナトゥスの誘惑』を思い出しました。

こちらも、2人の男女の関係が、第三者から見るとバッドエンドだけど、当事者たちは満足している感じが似ていると思います。

こういうものが受け入れられて、流行っているのは、世の中のどんな背景を写しているのだろうかと思います。

『夜に駆ける』はYouTubeでも聴けますし、『タナトゥスの誘惑』はネットでも読めて、とても短い物語なので、是非読んでみてくださいね。

タイトルについて

『流浪の月』というタイトルの意味についてもみんなで考えました。

「流浪」は、ラストの展開っぽいですが、「月」は…?

みんなが欠けている様子や、更紗と文が2人で照らしあってようやく見える、という状態を表しているのでは、という意見が出て、なるほど~と思いました。

月の描写は本文にもあり、この部分が印象に残ったという方もいました。

東の空には炎のような薔薇色が立ち上がっている。けれど夜の領域にはうっすらと白い月がまだ残っている。
もうすぐ消える、まるでわたし自身のように感じた。
首をはねられる瞬間を待つように、わたしはじっと薄い月を見上げる。
なのに月はいつまでも残り続け、わたしの首も皮一枚でつながってしまった。(本文 p128)

他にも、話をしているうちに、色々な考察が出てきて、やはり1人で読むよりも、読書会をすると読み方が深まって、面白いなぁと思いました。

今回、高校3年生の子も初めてオンラインで参加してくれて、大人だけだと出てこないだろう視点や考えも聞くことができて、うれしかったです。

流浪の月について話した後は、最近読んだ本や好きな本などについても紹介して、「その本、面白そう!」「もっと本読みたいなぁ!」と、参加者同士で刺激を受けているようでした。

こんな楽しみがあるのも、読書会ならではだと思います。

次回の読書会は『積ん読書会』

11月14日(土)19:00~

買ったけどなかなか読めない本、途中で挫折した本、次に読むつもりの本など、おうちに積んである本、ありますよね?

まだ読んでない本について、想いを語り合う、一風変わった読書会です。

オンラインでもリアルでも、ご参加お待ちしています~(・ω・)/

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