若年性認知症になった
佐藤雅彦さんが書いた本を読みました。

佐藤さんは、40代に異変を感じ始め、
51歳の時に、「アルツハイマー」だと
告知を受けました。

一時は絶望の淵に立たされた佐藤さんでしたが、
認知症になった自分だからこそ、世間に伝えられることがあるはずだと、
様々なサポートを受けながらも、最大限の工夫をして、
1人暮らしを続けてきました。

その工夫がいろいろと書いてありますが、
これらは、認知症の人でなくても、高齢になって物忘れや出来ないことが増えていく一般の人にとっても、とても役に立つ内容です。

何より一番感銘を受けたのは、佐藤さんの積極的な生き方でした。

認知症になっても、負けない!諦めない!という前向きな気持ち。
NPO法人「認知症当事者の会」の設立に発起人として関わったり、
様々なところで講演活動も行っているのだそうです。

認知症は、世間で言われているような怖い病気でしょうか。
私は、自分が認知症になり、出来ないことは増えましたが、
出来ることもたくさんあることに気がつきました。
認知症の診断を受けて9年になりますが今も一人暮らしを続けています。
認知症であっても、いろいろな能力が残されているのです。
社会にある認知症に対する偏った情報、誤った見方は、
認知症と診断された人自身にも、それを信じさせてしまいます。
この二重の偏見は、認知症と生きようとする当事者の力を奪い、
生きる希望を覆い隠すものです。
私は、そのような誤解、偏見を、なくしていきたいと思います。
(本の表紙裏の言葉より)

認知症になったら、いろいろなことが出来なくなると、
私たちは思いこんでいます。
もちろん、物忘れという症状はありますが、
それは、パソコンや携帯電話や友だちなどを駆使すれば、
ある程度は補うことができると、佐藤さんは教えてくれます。

認知症について書いてありますが、
より良い生き方を教えてくれる本でもあります。
ぜひ、読んでいただきたいなと思い、紹介させていただきました。

高木