恵那市岩村にある、某ディサービスさんで、脳活体験をしていただきました。

 

ここは認知症になられている人ばかりが通うディサービスです。

昨年12月にある講演会でそこのスタッフの方と出会ったのが、繋がりの初めでした。

私たちにとっては、認知症になられている方たちばかりを対象とする脳活は初めてのことで、ある意味チャレンジでした。

 

どんな反応があるのだろうか?

そもそも関心を示してくださるだろうか?

少しでも楽しんで取り組んでくださるだろうか?

 

不安要素はいっぱいありました。

教材もできるだけ難しくないものをと、作り直して持って行きました。

 

今回体験してくださった方は、男性2名と女性が4名。

 

最初に自己紹介をしていただきました。

私(高木)が最初に歳は23歳と言うと、「ほ~、若いなあ」という声が!

あまりにサバを読み過ぎました。

すぐに「違います、違います。はっきり言いたくないので、干支を言います」

「酉年です」と言うと、みなさん、なるほどと納得してくださいました。

 

そして、皆さんも実年齢ではなく干支で紹介されて、「あ、私も同じだ」などと、そこで話が弾みました。

 

いよいよ、音読です。

ことわざをいくつか言っていただいたあとに、プリントを音読していただきました。

 

そのあと、ことわざを書き写していただきました。

中には「字は書けん」と言われる方もいらっしゃいましたが、写真のように全部をきれいに書き写された人もおられました。

「字なんて書くのは久しぶりやね」と言いながら。

 

次にたしざんひきざんの計算をやっていただきました。

 

びっくりしたのは、もうとてもできないだろうと思われたHさんが、たしざんを熱心にされたことでした。

これにはスタッフの方も驚かれました。

また、写し書きの時は「目が見えんで書けん」と言われたSさんが、計算になったらスラスラと書いてみえて、とても嬉しく思いました。

 

男性の1人は途中で「やることがある」と抜けて行かれましたが、もう1人は黙々と最後まで取り組まれました。

 

春の小川の歌を歌ったあとは、食べ物や動物を順番に言うというゲームをしました。

くまのプーさんのぬいぐるみを渡していきながら言葉を言うというルールです。

これがなかなか面白くて、みんなで大笑いしました。

(ゲームに夢中になってしまって写真を撮り忘れました)

 

みなさん、どうでしたか?という質問に、

「頭が良くなった気がする」と言ってくださったり、「楽しかったよ」とにこにこ笑ってくださったりしました。

「難しかったから、もう嫌だ」なんて言われなくて、胸をなで下ろしました。

 

約1時間の脳活を終えて、皆さんと共に、手作りの桜餅をいただきました。

 

桜餅を食べる時になったら、脳活の時には途中で抜けてしまったTさんが私の隣に来て座ってくださいました。

何だか嬉しかったなあ。

 

帰り際に、ディサービスのスタッフさんと少し話をしました。

「普段はこんなにがっつりと脳トレすることはないから、良い経験でした」と言っていただきました。

 

認知症の進行を遅らせるためには、日々の生活の中に少しでも音読や計算を取り入れていくことが効果的です。

けれどもそれはなかなか難しいことでもあります。

今後どう繋がっていくのか、これから相談していけると良いと思っています。

お世話になり、ありがとうございました。