あるブログの記事でとても心に響く内容があったので転載します。

アメリカ暮らしのお母さんが書いたブログ。

海外にいると、日本のことがよく分かると言います。

 

こどものとうひょう おとなのせんきょ。  

かこさとし

 
話は、こどもたちが遊ぶ児童館前の広場が舞台です。
野球、サッカー、鬼ごっこなど、いろいろな遊びをするこどもたちが
たくさん集まっています。
でも、こどもが多すぎて、お互いが邪魔になり、
広場でけんかが始まってしまいます。
 
そこで、広場で何をして遊ぶか、
投票で決めようという事になり、
全員で投票をし、
1番票を集めた遊びをすることになりました。
 
野球をやっていた子が多かったので、
野球が第一位となり、
広場では野球をすることが決まりました。
 
「だって、みんしゅしゅぎだもん。たすうけつだよ。」
ここで、「トキあんちゃん」という年上の男の子が登場します。
トキあんちゃんは、みんなにいいます。
 
「そうだよな。みんしゅぎは、
いいことを みんなで きめるんだよな。
かずが おおいから、いいんじゃなくて、
たとえ、ひとりでも いい かんがえなら、
みんなで だいじにするのが みんしゅしゅぎの いいところだろ。
それを まちがえると、かずが おおい やつが、
かってに いばったり、わるいことを しだすんだよな。」
 
最初の話し合いの時、広場で遊ぶルールを作る委員を決める、
という提案をしていた子がいました。
その意見は、多数決の投票の中でかき消されてしまいましたが、
トキあんちゃんは、それをすくい上げ、
みんなで委員を決めるように説得します。
 
みんなの投票で委員に選ばれた子は、
曜日ごとに広場で遊ぶ内容を変えて、
みんながしたい遊びが交代でできるルールを考え、
んなに提案しました
みんなもちろん賛成。みんなが広場で楽しく遊べるようになりました。
めでたし。めでたし。
 
しかし、まだ話は終わっていません。
こどもたちは他に心配していることがあるというのです。
こどもたちの心配とは何なのか?
 
それは、こどもの あそぶ ところは せまくて ちいさくて
おとなの あそぶ ところは、どんどんひろく 
ずんずん りっぱに ふえていく ことです。
ケンちゃんたちは、これは、
せんきょを するのは おとなだけなので、おかねもうけにならない。
こどもの ことなんかは あとまわしになるからと、おもいました。
おとなだけの せんきょで かずが おおくなった ものが、
かってな ことを している だめだろうと おもいました。
 
だから、もし、このまま せんきょを つづけていくと 
おとなの たすうけつで、
じどうかんの まえの ひろばは、おとなだけの ゴルフれんしゅうじょうか、
こどもが はいれない パチンコやに 
みんな なってしまうかもしれないと 
ミドリさんも トシぼうも しんぱいを している ところです。
 
作者のあとがき・・
この本は、少数でもすぐれた考えや案を、
狭い利害や自己中心になりやすい多数派が学び、
反省する、最も大切な「民主主義の神髄」を
取り戻したいという願いで書いたものです。
「民主主義の」ヌケガラと後世から笑われないために、
私達が反省したいと思っています。
              (FBより引用)